太陽光発電の詐欺|悪徳業者がよく使う危険な言葉

太陽光発電は普及が進み、設置される家庭も増えてきていますが、残念ながら悪徳業者も多いようです。特に訪問販売では事実と異なることを伝えて太陽光発電の導入を迫る詐欺が多数報告されており、2011年に国民生活センターに寄せられた太陽光発電に関する相談件数は3900件のうち、7割が訪問販売に対する相談でした。

高い知名度を持つ技術ゆえに社会的信頼性があり、しかも大半の方は詳細な情報を知らないため業者の話を鵜呑みにしてしまう… 詐欺師にとって、太陽光発電は非常に騙しやすいネタなのです。

最も多い事例は、自宅にやってきた営業マンに甘言で丸め込まれてしまうケースです。「太陽光発電に替えると電気代の節約になる」、「今ならキャンペーン中につき平常時よりも安価に導入できる」といった契約を急かすような口調は、典型的な詐欺の手法です。「発電容量はできるだけ多い方がお得」と称してやたらと高額のコースを勧めてきたり、「絶対損をしない」という触れ込みで太陽光分譲ファンドへの出資を迫ったりする手口も最近では増えてきています。

太陽光発電詐欺でよくある手口

以下、悪徳業者がよく使う言葉をまとめてみました。これを参考に、悪質な詐欺に騙されないようにしてください。

「国(県)から推薦されている業者です」

うちの会社は国から推薦されてるんですよ。

国も県も特定の業者を推薦していません。これは明らかな嘘なのでご注意ください。なお、メーカーが各自で推薦している業者、代理店は存在します。

「キャンペーン中でお得ですよ」「モニター価格です」

モニター価格でお得ですよ!

「キャンペーンや、モニターの試験設置なので格安です。」という業者がいます。一概にそれらすべてを嘘だということはできませんが、決してすぐにその場で導入を決めてはいけません。まずは家族で話しあったり、他の業者との相見積もりを行なって判断してください。こうした売り文句は契約を急がせるためのものが多いのです。

「絶対に元をとることができますよ」

太陽光発電は絶対に元がとれます!

確かに太陽光発電は元をとることが簡単になりました。しかし、売電収入はその家の日射状況や電気の使い方などさまざまな要因に左右され、どれぐらいで元をとることができるかはケースバイケースです。元をとれなくて困るのは、業者ではなく購入者の方です。安易に「絶対」という言葉を使う業者には注意が必要です。

「太陽光発電は一切メンテンナンスが必要ありません」

太陽光発電はメンテナンスが一切要りません!

これも、太陽光発電のメリットを誇張しています。確かに太陽光発電システムは基本的にメンテンナンスが必要ありませんが、故障などを起こす可能性はあります。太陽光発電システムには寿命があり、太陽光パネルは20~30年、パワーコンディショナーは10~15年で交換する必要が出てきます。ですので、保証などもしっかり確認しておかなければいけません。「メンテンナンスは一切いりません!」という業者よりも、「不具合が起きた場合はこう対処します」と言ってくれる業者の方が信頼できると言えるでしょう。

「浄水器と一緒に購入しないと補助金が降りませんよ」

浄水器も購入しないと補助金は支給されませんよ。

太陽光発電の補助金は、太陽光発電単体だけで支給されます。別のものと一緒に購入しなければならないというのは真っ赤な嘘です。

また、同じような言葉で「太陽光発電を購入していただければ浄水器や洗濯機をプレゼントしますよ。」というものもありますが、これにも注意しなければいけません。無料のプレゼントなどではなく、その分のお金も上乗せされている可能性があります。しっかりと見積もりをもらって、他の業者との比較を行いましょう。

太陽光発電はクーリングオフ制度が使えます

キャンセルするならキャンセル料もらいますよ!

悪質な業者と契約を交わしてしまった場合は、クーリングオフ制度が有効です。クーリングオフ制度とは、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度のことです。訪問販売の場合は、書面で契約を交わした日を含めて8日間の内にクーリングオフを行う必要があります。

「キャンセルするなら違約金を払ってください」「すでに加工してしまった分の料金は払ってくれ」
クーリングオフ制度を使おうとすると、上記のように言ってくる業者がいます。しかし、8日間の間ならば無条件で契約を解消できるため、応じる必要はありません。不安を感じるのならば、国民生活センターに相談するのがよいでしょう。


太陽光発電の詐欺事件に巻き込まれないようにするためには、私たち自身が太陽光発電に関する知識を身につけておく必要があります。初期費用のおおよその相場を知っていれば、相手が提示した見積額の不自然さをすぐに看破することができます。それに、詐欺師は人を騙すプロではあっても太陽光発電に関してそれほど精通しているわけではありません。積載可能なパネル数、年間予想発電量、メーカーのアフターサービス内容など、具体的な質問を投げかけてすぐに返答できない場合、その営業マンを大いに警戒すべきです。

真剣に太陽光発電システムの導入を検討している方は、インターネットの比較サイトなどを活用して信頼できる施工業者を自分で選択しましょう。