再生可能エネルギーとは?再生可能エネルギーの種類と2つの問題

TVや新聞、ネットでも再生可能エネルギーという言葉を見ない日はないほど、一般的な言葉になりつつあります。

しかし、再生可能エネルギーと言っても、太陽光発電や風力発電を思い浮かべるだけの人も少なくないでしょう。そこで、実は、奥が深い再生可能エネルギーについてまとめてみました。

再生可能エネルギーとは?

まず、再生可能エネルギーとは、その名の通り、「再生」が「可能」なエネルギーのことです。自然現象から取り出し、過度に利用しなければ使う速さよりも再生する速度のほうが早いため、持続的に活用できます。

広い意味での再生可能エネルギーは、発電だけに留まりません。窓から太陽の光を入れて部屋を明るくするのも、地下から湧き出た温泉につかるのも、立派な再生可能エネルギーの利用です。しかし、国内でも国外でも電力供給の問題が持ち上がっている今、再生可能エネルギーは「発電のための」というイメージが大きくなっています。

再生可能エネルギーの種類

太陽光発電
太陽電池を使ったソーラーパネルなどを太陽光に当て、それを電力に変換します。

太陽熱発電
太陽の「光」ではなく、「熱」を使って発電します。蒸気を発生させタービンを回すことで電力をつくります。太陽光発電の一部という考え方もあります。

太陽光発電と太陽熱発電のイラスト

風力発電
風車を使った発電。比較的安価な方法だと言われています。

地熱発電
地熱で蒸気を発生させ、タービンを回すことで発電します。地熱発電の大きな特徴は「24時間発電可能」という点です。

風力発電と地熱発電のイラスト

水力発電
ダムのように、大規模に貯水した水を流してタービンを回し発電する方法の他に、川などに設置する小規模な方法のものもあります。例えば水車などが水力発電の良い例と言えます。

潮力発電
潮汐による海水の動きを利用して水車を回し発電します。発電量が予測しやすいのが利点です。

水力発電と潮力発電のイラスト

小水力発電
川や用水路などの水の流れがあるところに水車を設置し、その水車を回すことにより、連動させたタービンを回し発電させます。

波力発電
波の力を利用した発電方法。波の力はとても大きく、それをタービンを回す動力として使う、四方を海に囲まれた日本に適した発電方法です。

小水力発電と波力発電のイラスト

バイオマス発電
木屑や燃えるゴミなどを燃焼する熱を利用して発電する方法です。

バイオマス発電のイラスト

世界中から注目される再生可能エネルギー

一方量が決まっているため、再生不可能なエネルギーは、再生可能エネルギーに対し、枯渇性エネルギーと呼ばれます。石油や天然ガスなど化石燃料や、原子力発電の燃料であるウランも枯渇性エネルギーになります。

まだまだ再生可能エネルギーは世界の主流にはなっていませんが、各国から大きな注目を浴びています。それは、再生可能エネルギーを利用した発電は、CO2の排出量が少ないものが多いからです。

CO2などの温室効果ガスが発生すると、地球温暖化が促進すると言われています。それを回避するためにも、再生可能エネルギーの研究、開発は日夜行われているのです。

また、世界の人口は増える一方であり、電力需要に対し供給が追いつかなくなる、という懸念もあります。東日本大震災による福島原発停止によって、関東でも計画停電が行われました。電力は決して無限ではないのです。

再生可能エネルギーの今後の課題

このように注目されている再生可能エネルギーですが、今後の課題は大きく分けて2つあります。

1. つくれる電力がまだまだ少ない
2. 電力供給が不安定なものが多い

やはり原子力発電や火力発電に比べると、再生可能エネルギーを使った発電が作れる電力量はまだまだ少ないのが現実です。

また、風が吹かなければ風力発電は機能しませんし、夜になれば太陽光発電もほとんど発電しません。(月の光などでわずかながらは発電できる場合もあります)

しかし、すでに書いたように、再生可能エネルギーの活用を考えていくのは必須と言えます。ソーラーパネルは、太陽光を電力に変える効率のいいものがどんどんつくられていますし、ビルの屋上に小型の風力発電を設置したりと、再生可能エネルギーの利用は私たちの生活のなかにも入ってきています。

もちろん、節電意識は必要です。どんなに発電量が増えていっても、私たちが何も気にせず電力を使い続ければ、決して足りる量ではありません。しかし、江戸時代のように電気に頼らない生活に戻るのも難しいでしょう。再生可能エネルギーが発展していくのを願うのと同時に、私たちの電気への意識も考えないといけません。