トイレが秘める発電の可能性

私たちは普段、水洗トイレを利用しています。水洗トイレは水を流して排泄物を流す仕組みになっていますが、この水を流すエネルギーを利用し発電する装置が開発されています。イギリスのTom Broadbent氏が開発した「HighDro Power」です。

HighDro Powerは、排水が排水管を流れ落ちるエネルギーを利用して発電します。この原理は水力発電ダムと同じものですが、ダムに比べてサイズが小さいという利点があります。配管設備に取り付けられたHighDroPowerが、排水管から流れ落ちる水を取り込み、4基の羽でタービンを回してエネルギーに変換する仕組みになっています。同氏の計算によれば、7階建てのビルに取り付けると年間926ポンド(約12万円)の電気代の節約が可能になるそうです。

トイレ以外にもキッチンやシャワーなどの排水も同じ仕組みで発電できるものの、ある程度の高さのあるビルやアパート、ホテルなどに使用が限定されてしまうという欠点もあります。

しかし最近では、トイレを利用した別の燃料電池の開発も進められています。バイオ燃料電池とこの水力発電装置を併用することで、発電がより効率的になる可能性もあります。

ホテルなどの浴室やシャワー、トイレなどによる排水が大量に発生する施設では、自家消費分の電気をまかなうだけではなく、余剰分を電力会社に売電することで利益を生み出すこともできるかもしれません。