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水不足と地球温暖化の密接な関係

地球温暖化による、大気中の水蒸気量の増加により、21世紀の平均降水量は増加する、と気候モデルのシミュレーションは予測しています。多くの地域で平均降水量の増大や豪雨の増加の可能性がかなり高くなっており、干ばつの増加の可能性が高い地域もあります。

平たく言うと、平年通りの雨の降り方をする地域は少なくなり、集中豪雨や、極端な少雨だったり、長雨になったりすることが増えるということです。もっと分かりやすく言うと、現在、雨が多いところはさらに多く、少ないところはさらに少なくなり、水害や渇水の危険性が増加していくでしょう。

アマゾンでは、海洋での対流が、大西洋の海水温上昇により活発化しています。これにより、熱帯雨林への雲の流れが弱くなり、乾燥化すると考えられています。また、中央アジアやアフリカなどの乾燥地域でも降水量が減り、乾燥化や砂漠化が進むと予想されています。これには森林伐採などの他の環境問題も深く関係しているのです。

アフガニスタンでは、難民キャンプに集まる難民の多くが、戦争が原因の難民ではなく、自然環境の異変により土地を奪われた生態系難民であるという衝撃的な事実があります。地球温暖化により水源地である山に雪が降らなくなり、川や井戸が干上がってしまったのです。

地球の平均気温が2~3度上がると、30億人が水不足の危機に陥るといわれています。さらには、地球温暖化が引き起こす海面上昇により、東京やマンハッタン、ロンドンなどの一部分が水面下に沈み、長期に渡る干ばつによって飢餓と水不足が戦争の火種となり熱波が続き巨大なハリケーンが世界を襲うという恐るべき予測もされています。

もっと身近な今年の日本の話題でいうと、連日の猛暑により、8月の降水量は平年をだいぶ下回っています。これにより、熱射病が増加し、体力の弱っている病人やお年寄り、子供の健康に悪影響をもたらす恐れがあります。最悪の場合、死に到るケースも稀ではありません。

このように、地球温暖化と水不足による影響は年々、より身近な影響として、わたしたちに近寄ってきているのです。