都市ガスとプロパンガスの普及率|都市ガスが普及しない理由とは?

一口にガスと言っても、「都市ガス」と「プロパンガス」では料金や特徴がまったく異なります。

では、都市ガスとプロパンガスはどちらの方が多くの世帯に普及しているのでしょうか。

都市ガスとプロパンガスの普及率

資源エネルギー庁が発表している公式データによると、2013年時点で都市ガスの需要家件数は約2900万件で53%。

一方、プロパンガスの需要家件数は約2500万件で44%となっています。普及率で比較すると、若干都市ガスのほうが普及しているようです。

ガスの普及率

都市ガスの問題点

しかし、都市ガスの普及率は非常に地域差が激しいのが特徴的です。工業用の都市ガスは年々普及が進められていますが、家庭用はやや後れをとっています。東京や大阪ではおよそ90%もの普及率を達成しているのに対し、沖縄、山梨、鳥取では10%を下回っています。四国や東北方面の普及率も決して高いとは言えない状況です。

順位 都道府県 供給区域内普及率 順位 都道府県 供給区域内普及率
1 東京都 106.3% 24 三重県 56.7%
2 大阪府 104.9% 25 山口県 56.4%
3 京都府 100.9% 26 岩手県 55.9%
4 新潟県 96.5% 27 福島県 55.5%
5 兵庫県 93.4% 28 熊本県 54.2%
6 千葉県 80.4% 29 北海道 54.0%
7 愛知県 80.0% 30 長野県 52.2%
8 秋田県 77.8% 31 福井県 51.9%
9 神奈川県 74.7% 32 茨城県 51.1%
10 福岡県 74.1% 33 高知県 50.8%
11 長崎県 71.9% 34 鳥取県 48.2%
12 奈良県 68.5% 35 石川県 47.8%
13 広島県 68.3% 36 佐賀県 46.5%
14 宮城県 65.1% 37 岡山県 46.4%
15 香川県 64.4% 38 愛媛県 46.2%
16 徳島県 63.5% 39 和歌山県 45.8%
17 滋賀県 62.7% 40 群馬県 45.5%
18 富山県 62.3% 41 山梨県 44.8%
全国平均 61% 42 岐阜県 44.7%
19 宮崎県 60.3% 43 島根県 43.3%
20 鹿児島県 59.3% 44 大分県 42.8%
21 山形県 59.1% 45 栃木県 42.2%
22 静岡県 57.8% 46 青森県 37.3%
23 埼玉県 57.5% 47 沖縄県 36.0%

※総務省統計局調べ(2011年)
都市ガス供給区域内普及率は、メーター取付数を供給区域内の一般世帯数で割ったものなので、メーター取付数が一般世帯数を上回る都道府県では100%を超えます。

というのも、都市ガス事業者の供給区域は都市部に集中していて、国内の5~6%程度しかカバーできていないためガス業界内で問題視されています。特に都市ガスは、アパートやマンションなどの集合住宅であまり利用されていない傾向にあります。

都市ガスが普及しない理由

最大の原因は、導入費用の高さにあります。住宅の脇に設置したガスボンベから直にガスを供給できるプロパンガスに対し、都市ガスは地中に張り巡らされた大規模なガス導管から本管を引き込まなければなりません。

何十万円もの巨額な工事費用を必要になるくらいなら、設置が容易なプロパンガスを利用したいと考える家主が多いのは当然です。このように、金銭的な負担が都市ガス普及のネックになっているようです。

まとめ

集合住宅では、利用するガス会社を選べません。都市ガスの方が良いと思っても、自分の一存で集合住宅全体のガス設備を都市ガスに切り替えてもらうことは非現実的な願望です。

そのため、新しい場所に引っ越す際には、その住宅に導入されているガスの種類をしっかりチェックする必要があります。

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