砂漠で移動する太陽光発電ラクダ

ケニアでは、背中に太陽光発電システムを搭載して砂漠を移動する医療ラクダがいるそうです。

このラクダは、軽量化された専用サドルを背負い、太陽光発電をしながら砂漠を移動します。ラクダの背中で作られた電気は、一緒に背負っている冷蔵庫に送られます。

これによって、砂漠の暑い中、冷蔵が必要なワクチンや医薬品を長時間にわたって運べるようになったのです。

また、作られた電気は、往診先で使う医療器具の電力や、暗闇を照らすライトの電力などにも使うことができ、まさに移動する小さな病院と言ってもいいでしょう。

ラクダは、乾燥や暑さにとても強い動物です。特に荷物を運搬するラクダは、暑い砂漠を約150kgの荷物を背負って一日に約50kmも歩くことができるそうです。

また、他の動物と違い、植物から水分を摂ることができるため、頻繁に水を飲む必要もありません。そのため、砂漠での移動手段に欠かせない動物になっているそうです。

以前から、ラクダの小さな移動病院は活躍していたようですが、冷蔵が必要なワクチンや医薬品を安全かつコストをかけずに運ぶことはできませんでした。

そこで、アフリカ遊牧民の支援団体「Nomadic Communities Trust」と米カリフォルニアのデザイン専門大学「Art Center College of Design」や米プリンストン大学の「Institute of Science and Technology of Materials」が力を合わせ、現在のシステムを開発しました。

砂漠と太陽光発電は、とても密接に関係しています。ラクダもまた新時代の太陽光発電の重要なキーになってくるかもしれませんね。