太陽光発電のメーカーシェア状況

太陽光発電システムを導入する際、太陽電池パネルのメーカー選びには大いに気を配る必要があります。傍目にはすべて同じパネルに見えますが、メーカーが異なれば性能もまるで異なります。施工業者に一任しても構いませんが、利用者自身もある程度の知識を持っておいた方が良いでしょう。

太陽電池パネルを製造しているメーカーは世界中に存在します。太陽光発電の先進地域である欧州ではすでに十分な普及率を達成していますが、日射量の多い発展途上国ではまだまだ普及の余地があり、今後も太陽電池パネルの市場規模は拡大を続けると予想されています。

供給量のメーカーシェアに目を向けると、世界一位のYingli(英利)を筆頭に、First Solar、シャープと、中国・アメリカ・日本のメーカーが上位に名を連ねています。中国にいたっては世界の太陽光発電市場のおよそ4分の1ものシェアを占めており、独占状態が続いています。

しかし、日本国内の太陽光発電市場では、海外のメーカーよりも日本国内のメーカーの方が高いシェア率を誇っています。

トップを走るのは、50年以上もの長きにわたって太陽電池の開発を続けてきた「シャープ」。技術力の高さに定評があり、変換効率にすぐれた上質な太陽電池モジュールを多くリリースしています。

続く「パナソニック」は、HIT太陽電池と呼ばれる独自のハイブリッド構造型太陽電池パネルが人気を博しています。従来の単結晶シリコン型太陽電池パネルよりも熱に強く、年間を通じて安定した発電量を確保できます。

業界老舗メーカーの「京セラ」は、デザイン性に富んだ太陽電池パネルを提供しています。小型・軽量の商品が多いため、屋根の強度が弱い家屋でも太陽光発電を導入できるメリットがあります。

海外のメーカーの中では、「サンテックパワー」という中国のメーカーが比較的高いシェアを持っています。大量生産による価格の安さが魅力的ですが、2013年に資金繰りが悪化して破産手続きに踏み切ってしまいました。(日本法人の太陽光発電事業は継続中。)

とはいえ、経営破綻のリスクがあるのは何も海外のメーカーに限った話ではありません。太陽電池の価格低下は利用者にとっては嬉しい話題ですが、企業にとっては死活問題です。世界的に見ても多くの太陽光発電メーカーが倒産・合併を余儀なくされており、日本のメーカーも生産工場を海外に移転するなどの対策に追われているのが実情です。

当然のことながら、メーカーが倒産すれば太陽光発電システムのメーカー保証を受けられなくなってしまいます。日頃から経済ニュースに目を通し、太陽電池パネルの性能だけでなくメーカーの経営状況にも意識を向けることが肝心です。