イケアやヤマダ電機、ローソン、セブンイレブンで太陽光発電設置

家具を販売しているイケアが、2012年秋に福岡県の店舗に太陽光発電装置を設置すると発表しました。
この店舗で発電した電力は、全量を電力会社に販売するそうです。また、ヤマダ電機やローソン、セブンイレブンでも、店舗に太陽光発電システムの設置を進めています。

このような大手の小売店が太陽光発電を導入したことによって、今後、小さな小売店も含め、日本中の小売店の店舗に太陽光発電の導入が広がりそうです。

今、なぜ相次いで大手小売店が、太陽光発電の設置を進めているかというと、2011年に成立した再生可能エネルギー特別措置法に秘密があります。
この再生可能エネルギー特別措置法のなかに、2012年7月1日より「再生可能エネルギー全量買取制度」の実施が組み込まれているのです。

この制度は、太陽光風力地熱、水力、バイオマスによって生み出された電力を電力会社が固定価格で全量買わないといけない仕組みになっています。つまり、上記の5つの方法で電力を作った場合、全量、固定価格で、電力会社が買ってくれるのです。政府としては、これを機に、再生可能エネルギーの普及を促したいと考えています。

この制度に伴う太陽光発電の買取固定価格は、1キロワットあたり42円になる予定です。
逆に、私たちが電力会社から電気を買うときは、1キロワットあたり17円~28円ぐらいです。
となると、当然、太陽光発電で作った電力を、自分たちの店舗で使うより、全量売って必要な電力は電力会社から買うほうがお得になります。

つまり、電気を作って42円で売り、17円~28円ぐらいで買い戻すのです。

この再生可能エネルギー全量買取制度が実施されるまでは、住宅用の太陽光発電の余剰電気のみ、電力会社に買取が義務付けられていました。
今まで、太陽光発電で発電した電力は、その設置した住宅の電気にまず使われ、余った分(余剰電気)を電力会社が買い取っていたのです。
しかし、今回実施される全量買取制度では、ほぼ全量買取が義務付けられます。

太陽光発電の設置場所は、住宅用・非住宅用・発電用の3つに分けられるのですが、この中の住宅用の発電量10キロワット未満は、今まで通り余剰買取になります。それ以外、非住宅用・発電用のすべて、住宅用の発電量10キロワット以上が全量買取になります。すなわち、店舗に太陽光発電を設置する場合は、全量売ることが可能なわけです。
ですので、イケアや他の大手小売店も、設置した店舗で作った電力を使わず、まずは全量を売って、設置した投資金額を回収したいと言っています。

店舗を持っている方は、太陽光発電システムの設置費用を回収できれば、あとは、売電が純利益になっていくので、かなり魅力的なのではないでしょうか?
また、使っていない大きな土地に太陽光発電システムの設置をしたりするのもいいですよね。使っていない土地から利益が生まれるようになったら、土地を持っている方も、うれしいでしょう。

ちなみに、住宅用の太陽光発電システムでも、10キロワット以上のものについては、全量買取が可能になります。通常、東京にある一般的な一軒家だと3~4キロワットの発電量です。ですので、10キロワット以上が設置できるのは、かなり大きな家となります。

再生可能エネルギー全量買取制度の実施で、一気に太陽光発電は普及することになるのでしょうか?
今後の行方が、楽しみです。