太陽光発電は蓄電できないのは本当か?

電気の仕組み

電気には直流と交流の二種類がありますが、蓄電可能なのは直流電流のみです。太陽電池モジュールで生産される直流電流は、家庭用電化製品で使用するためにパワーコンディショナーですぐに交流電流に変換される仕様になっています。ですので、基本的に太陽光発電によって生み出された電気エネルギーは貯めておくことができません。そのため、日中発電して使用しなかった余剰電力は、電力会社に買い取ってもらうシステムが構築されています。

ついに蓄電が可能に?

蓄電できない仕様はこれまで太陽光発電の大きな欠点として問題視されてきました。しかし、近年では技術開発が進み、太陽光発電のエネルギーを一定量蓄えられる「家庭用リチウムイオン蓄電池」をオプションとして搭載することができるようになりました。

商品によって性能差はありますが、平均蓄電容量は4~5kW前後。フル充電しておけば、万一停電したときでもテレビや照明器具などの家電を数時間以上連続使用することができます。すべての太陽光発電エネルギーを蓄えられるわけではありませんが、災害対策としてこの上なく重宝することは間違いありません。

蓄電池の大きなデメリットと改善策

ただし、家庭用リチウムイオン蓄電池は非常に高額な商品であり、当初から高い太陽光発電の導入費がさらにかさんでしまうデメリットがあります。蓄電容量が1kW程度の簡易な物から10kW近くもの高性能なタイプまでさまざまな蓄電池がリリースされていますが、平均価格は150万円にも達しています。実に太陽光発電システム二世帯分の初期費用が必要となり、導入を敬遠してしまう方が少なくないのも事実です。

しかしながら、2014年度現在、太陽光発電用リチウムイオン蓄電池導入の際に、国から補助金を貰える支援制度が実施されています。支給される補助金の金額は、対象経費(購入金額-機器ごとに設定された目標価格)に所定の補助率を乗算して求めることができます。

例えば、基準価格200万円・目標価格50万円の蓄電池を150万円で購入した場合、

(150万円-50万円) × 2/3 ≒ 66万円

の補助金が支給されます。お住まいの地域によっては地方自治体から補助金が支給される場合もあり、非常に重宝します。


蓄電池を導入すると、太陽光発電のメリットを最大限に活かせるようになります。現時点ではまだ発展途上の技術ですが、将来的にはより蓄電性能の高い商品が開発される見通しです。太陽光発電システムを自宅に導入する際には、蓄電池も検討してみてはいかがでしょうか。