太陽光発電のCO2削減量について

地球の温暖化が引き起こす問題点

地球の平均気温は過去100年の間におよそ0.7℃上昇しました。たった0.7℃と思われるかもしれませんが、温暖化によって世界各地でさまざまな異常現象が発生しています。

上昇した海水温の影響で南極の氷が融解し、海面が数メートル近くも上昇。沿岸部の地域が水没するかもしれない可能性が指摘されています。急激な気候の変化は生態系にも影響を及ぼし、動物の絶滅や砂漠化の進行を加速させています。さらには、農作物の生産量低下による食糧不足、干ばつによる水不足、本来熱帯地方にしか存在しないはずのウイルスが世界中で猛威を振るう感染症問題など、想定される被害を挙げればキリがありません。今や地球温暖化は、人類にとって最も危惧すべき環境問題と言えます。

地球温暖化の原因

地球温暖化の最たる原因は、二酸化炭素やメタンに代表される「温室効果ガス」の増加にあります。石炭や石油などの化石燃料を消費すれば短時間で膨大なエネルギーを生み出すことが可能ですが、同時に大量の温室効果ガスも排出してしまいます。アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本などの先進諸国は、膨大な温室効果ガスをまき散らしながら経済を発展させてきました。私たちの生活を豊かにするための科学技術が、地球環境を破壊して人類を苦しめる諸刃の剣となってしまったのです。

太陽光発電が温暖化を食い止める?

現在世界各地で地球温暖化防止対策が講じられていますが、中でも「太陽光発電」が非常に高い関心を集めています。太陽光発電は、文字通り太陽の光をもとにエネルギーを生み出す次世代の発電システム。火力発電のように大量の化石燃料を消費しないため、太陽光発電を普及させれば大幅な温室効果ガス削減を実現することができます。

その効果を具体的に数値で見てみましょう。火力発電の場合、発電時におよそ700g-CO2/kWhの温室効果ガスを排出します。これは、その他の一般的な発電方式に比べると、約2倍の二酸化炭素排出量です。その点、太陽光発電の場合、太陽電池モジュールの製造・廃棄の際に温室効果ガスが多少排出される程度であり、発電時にはほとんど排出されません。その量は、およそ20~40g-CO2/kWh。火力発電の約三十分の一の温室効果ガス排出量です。

一般家庭の年間消費電力は、平均5600kWh。通常の発電方式では、年間に2トン近くもの温室効果ガスが排出されている計算になります。しかし、太陽光発電に切り替えれば、一年間で1~2トンもの温室効果ガス削減を果たせます。光合成によって二酸化炭素を吸収してくれる植物に換算すれば、およそ杉の木100本分。石油に換算すれば、約1トン近くもの化石燃料削減効果となります。

無論これは計算上の話であり、現時点では発電エネルギーをすべて太陽光発電に置き換えることはできません。それでも、太陽光発電が私たち民間人でも貢献できる絶大な地球温暖化対策として機能することは明白です。