エコキュートの騒音|エコキュートの騒音問題を回避する2つのポイント

エコキュートを導入する際に最も気をつけなければならないのは、「騒音問題」です。機械の調子が思わしくないだけなら単に自分が困るだけで済みますが、騒音は知らず知らずのうちに何の関係もない隣人に迷惑をかけてしまいます。実際、エコキュートを導入して騒音トラブルが発生したケースは数え切れないほど報告されており、今や一種の社会問題と化しています。

エコキュートのヒートポンプユニットは、大量の空気を圧縮して膨大な熱エネルギーを生み出す構造になっています。強力なパワーを発揮するため、エアコンの室外機よりも大きな音を発生します。しかも、エコキュートは深夜電力を用いてお湯を沸かす給湯器なので、最悪なことに、人々が寝静まった夜中に最も大きな音を出してしまうのです。

ちなみに、エコキュートが発生する騒音は、およそ40デシベル前後です。これは、閑静な住宅街で私たちが夜間に発生させてもよいとされている音の限界ぎりぎりレベルです。神経質な人から「うるさい!」と言われても仕方がないでしょう。

さらに厄介なことに、エコキュートのヒートポンプユニットは「低周波」も発生させます。低周波はほとんど私たちの耳には聞こえない周波数の音です。しかし、目を閉じているときなど、聴覚が研ぎ澄まされている時にはブーンという耳障りな音が異常なほどはっきり感じられます。その上、低周波は物体を微小に振動させる性質があり、部屋の小物がカタカタと揺れる音がさらにストレスを増長させます。

低周波は健康被害をもたらす騒音公害です。睡眠不足による頭痛やノイローゼなど、実際に身体的苦痛を訴える被害者が続出しています。もしも訴えられれば、慰謝料を支払わされる可能性もあります。

エコキュートが夜間に動くのは機器の仕様なのでどうしようもありません。しかし、いくつかのポイントに気をつけることで騒音対策を講じることができます。

ひとつ目のポイントは、できるだけ近隣住民の住居と離れた場所にヒートポンプユニットを設置することです。できれば、15メートル以上は離すべきです。そして、自宅にエコキュートが設置してあることを近隣住民の方々に話して了承をとっておきましょう。何気ない気配りが人間関係のトラブル回避に繋がります。

もうひとつのポイントは、ヒートポンプユニットの周りに物を置かないことです。窓や壁があると、振動が反響して大きな音が発生してしまいます。たくさんのスペースを設けて、少しでも音を和らげるようにしましょう。