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蓄電池の種類とそれぞれの蓄電池の問題点

主に電池は、一度きりしか使用できない「一次電池」と、充電することで何度も使用可能な「二次電池」に大別されます。二次電池、いわゆる蓄電池は、携帯電話・スマートフォンなどの小型電化製品から自動車・フォークリフトなどの大型機器にいたるまでさまざまな商品の電源として活用されています。

日本は蓄電池の分野において非常にすぐれた技術を持っており、世界トップクラスのシェア率を誇っています。近年では電気自動車太陽光発電などクリーンエネルギー機器の普及に伴って蓄電池の需要も増加傾向にあり、今や民生用蓄電池は6000億円以上もの販売額を記録。日本経済の一角を担うほどの巨大産業となっています。

蓄電池の種類

現在市場に流通している蓄電池は、鉛電池、ニッケル水素電池、NaS電池、リチウムイオン電池の4種類が主流です。

鉛電池

鉛電池は希硫酸の電解液に鉛の電極を浸した蓄電池で、数ある蓄電池の中でも最も長い歴史を持つタイプとして知られています。安価で作動温度範囲も広いという長所がありますが、エネルギー密度(単位kgあたりに蓄電可能な電力量)が低くて劣化しやすいのが欠点です。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、アルカリ水溶液とニッケルの電極を組み合わせた蓄電池です。エネルギー効率に長けており、急速充電可能という長所がありますが、自己放電率が高くて充電可能回数が少ないという欠点も持ち合わせています。

NaS電池

NaS電池は、ナトリウムイオンと硫黄の化学反応を利用して充放電を行う蓄電池です。メガワット規模の充電が可能で寿命も長く、量産によるコストダウンを図りやすいという強みがあります。その反面、充放電時の温度変化が激しく、適温に保つためにヒーター電力を確保しなければならないという問題もあります。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、有機電解液とリチウムを活用した蓄電池です。突出したエネルギー密度・エネルギー効率の高さを誇っており、耐久性もずば抜けています。しかも小型化も容易なため、家庭用蓄電池を筆頭に近年の蓄電池商品の中心的素材となりつつあります。

しかし、有機電解液を組み込んでいる構造上、少なからず発火の危険性があるため、安全装置を取り付けなければならないデメリットがあります。1kWhあたりにかかる約20万円もの製造コストは他の蓄電池の倍以上。販売価格が一台200万円以上になってしまうこともあるため、利用者も簡単には手を出せません。より民間への普及を進めるためにも、低コスト化に期待が集まっています。