太陽光発電がもたらす売電収入以上に効果的な節電効果

体験者の声

太陽光発電設備を最初に検討したのは2009年、自宅を新築したときです。当時の売電価格48円/kWhが魅力的だったのに加え、新築時に太陽光発電を設置することで、余計な配管などが見えないように施工できるメリットがありましたが、当時提案してもらったシステムが4.2kW程度で280万円ほどと、さすがに手が届かないということで中止しました。

しかし、その後、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故が起こったことで、再生可能エネルギーに対する関心を深め、私が電気に関わる仕事をしていることもあり、再び太陽光発電設備の設置の検討をはじめました。仕事上でおつき合いのある会社と、大手ショッピングモールに入っている太陽光発電設備の販売会社の2社競合で見積もりを取り、最終的には容量的にも金額的にもパフォーマンスのいい提案をしてもらった前者に決定しました。

システムの内容としては、4.56kWシステムで200万円と、新築時に検討したものよりも容量が大きく、なおかつ安いものとなりました。太陽電池の種類も、2009年のときは多結晶シリコンだったのが、このシステムでは単結晶シリコンが採用され、発電効率も向上し、容量のアップにつながったのだと思います。当然ながら、2年弱の間に、太陽電池をはじめ、設備の技術革新が進んだという点もあると思います。実際、設置後に再生可能エネルギーに関するイベントに出向いた際に、新製品としてメーカーのブースに置いてありました。

こうして決定したシステムは、電力会社への申請から工事に至るまでおおよそ2~3ヶ月ほどかかりました。(取付け工事自体は1日で終わりました。)太陽電池の需要が急激に上がり、供給までにかなり時間を要しましたが、2011年9月29日にすべての工事が完了し、待望の発電開始となりました。

発電がはじまってからは、2014年3月現在に至るまでに累積値で、8,500kWh程度の売電量があり、単価が42円/kWhなので、357000円ほどの売電収入があったことになります。一方、買電量は月平均12000円くらいなので、この間の買電量が360000円となり、発電開始後からの電力関連の収支はほぼプラスマイナス0となっています。我が家の場合、オール電化住宅で、なおかつ水も、水道ではなく井戸水をポンプで吸い上げて使っているので、光熱費はほぼ電気のみで、それが0となったことはかなり大きいです。

また、それ以上に大きかったこととして、あるときメーカーのモニタリングサービスのグラフを見て驚いたのですが、前年同月比で消費電力量が2割ほど下がっていることです。なぜなのか考えてみると、発電量のみならず、消費電力量もリアルタイムで見ることができるモニターが設置されて、数値をたびたび確認することで、電気の無駄遣いが減ったのかなと思います。

こうした節電効果が出てきたことには自分自身驚きましたが、システムをフル活用することで、発電量に期待するだけではなく節電を心がけるくせをつけて、さらなる消費電力の減少、CO2の削減や電力不足を補うことにつなげていきたいと思います。


太陽光発電の売電と補助金の秘密